「娘の命を奪ったヤツを殺すのは罪ですか?」は、
ママ友イジメから始まった出来事を通して、
復讐や家族、そして人が抱える感情の行き場を描いてきた作品です。
最終回では、積み重ねられてきた思いが静かに収束していきます。
この記事では、物語の結末を振り返りながら、
心に残ったポイントを中心に感想をまとめていきます。
※ネタバレあり
娘は自殺ではなかった――明かされる事故死の真実
ママ友からのいじめを苦に、娘・優奈は自殺した——
母・玲子は、そう信じて生きてきた。
しかし最終回で明かされる真実は、あまりにも残酷で、同時に救いでもあった。
優奈の死は自殺ではなく事故だった。
息子・圭太を助けようとして起きた、取り返しのつかない転落事故だったのだ。
屈しなかった娘の姿が、母を復讐へと向かわせる
優奈はいじめに負けて命を絶ったわけではなかった。
前を向いて生きようとしていた娘の姿を知ったとき、
玲子の中で、悲しみは怒りへと変わっていく。
母としての愛と後悔が、復讐という選択へと彼女を導いた。
選挙演説の場で暴かれる、いじめと殺害疑惑
選挙戦の最中、幹久の凱旋カーの上で演説を支えていた沙織。
その場で流されたのは、優奈への執拗ないじめ映像だけではなかった。
幹久が建設会社社長を殺害した疑惑があるという映像まで公開され、
理想の家族像と政治家像は、音を立てて崩れ落ちていく。
最後まで反省しない沙織と、玲子の静かな反撃
すべてが終わった後、玲子は沙織の元を訪れる。
しかし沙織は、会うなり冷酷な言葉を投げつける。
「私から全てを奪って満足? でも、あなたの娘は生き返らないわよ。」
それでも玲子は感情をぶつけない。
なぜ優奈をいじめたのかを問い、
優奈が自殺ではなく事故死だったこと、
いじめに屈していなかったことを静かに告げる。
それは、優奈から何もかもうばい、どん底へ突き落としてやったと満足する沙織への復讐と同時に娘の尊厳を取り戻すための言葉だった。
立場は変わっても、変わらない沙織の執念
綾が働く店で、キャディとして働く沙織。
かつて支配する側だった彼女は、今や裏方に回っている。
だがトイレでの独白は、彼女が何も変わっていないことを示す。
「私は絶対に這い上がってみせる。私を楽しませるオモチャは私自身なのよ。」
高笑いとともに語られるその言葉が、後味の悪さを残す。
だいぶ、イカれた女だなと感心してしまった。
復讐の果てに選んだ、玲子の新しい人生
一方、玲子は空ともう一人の女の子を養子に迎え、
静かな場所で新しい生活を送っていた。
復讐の先に残ったのは、怒りではなく、守るべき日常だった。
成瀬の願いと、再びつながる家族の絆
玲子を支えてきた成瀬は、自身の願いを口にする。
「残りの人生で、子どもたちの笑顔を支えたい。あんたと二人で。」
そして成瀬は、明彦と圭太を連れてくる。
姿が変わってしまった玲子を前に、
圭太が「おばあちゃん?」と呼んだ瞬間、
玲子は涙を流して孫を抱きしめる。
断ち切られたと思っていた家族の縁は、確かにそこにあった。
復讐の先に選んだ道
この物語は、
「娘の命を奪ったヤツを殺すのは罪ですか?」
という問いに、明確な答えを出さない。
人を殺すことは、簡単なことじゃない。殺さない復讐を玲子は選んだ。
復讐の先にも人生は続き、
玲子は、もう一度誰かを“守る側”に戻ったのだ。
玲子には、成瀬や明彦、圭太という守りたい人がいる。
その人達と一緒に生きていく道を選んで良かったと思う。
一つ気になったのは、イジメをしていたボスママの沙織が、度々韓国語で言葉を入れてくるところ。韓国好きなのか、ハーフの人なのか、そこが謎だった。ドラマの本筋には関係がないが、何の意味があってそういうシーンを入れていたんだろう?
