※本記事はドラマ『パンチドランクウーマン』第2話の内容を含みます。未視聴の方はご注意ください。
第2話では、女区で起きた乱闘事件をきっかけに、重要データが入ったタブレットが紛失。
その出来事が、日下怜治の脱獄計画と、冬木こずえが封じ込めてきた過去を浮かび上がらせていきます。
ドラマ『パンチドランクウーマン』は、日本テレビ系で放送中のヒューマンサスペンスドラマです。
番組の最新情報や放送スケジュールは、公式ホームページをご確認ください。
女区の乱闘でタブレットが消えた
日下怜治が騒ぎを起こしている最中、女区でも喧嘩が発展し、大規模な乱闘が発生していました。その混乱の中で、収容者の重要なデータが入ったタブレットが紛失してしまいます。
冬木こずえは、タブレットが見つからなければ責任を取れと処遇部長の小柳太介から告げられます。それは懲戒処分、つまり事実上の解雇を意味していました。
怜治が口にした“脱走”という言葉
懲罰房に入れられた怜治は、教団「廻の光」の教祖で死刑囚の鎧塚弘泰に「脱走しないか」と話しかけます。詳しい理由は語られないものの、そのためにはタブレットが必要だというのです。
一方、捜査一課警部補の佐伯雄介は、こずえと日下春臣の大学時代からの友人でした。彼は、春臣に似た怜治の存在によって、過去の記憶を頻繁に思い出すようになったと語ります。
こずえは心の中で、
「人生で一番愛し、一番憎んだ人。その息子に、こんな場所で出会うなんて」
と、複雑な感情を抱いていました。
羽田美波が疑われ、こずえは独自に動き出す
監視カメラには、大麻取締法違反容疑者・羽田美波が、服の下に何かを隠している様子が映っていました。タブレットを盗んだ犯人は羽田ではないかと疑われます。
また、トランスジェンダーの内村容疑者は、怜治の行動によって部屋を移してもらえたことに感謝しますが、怜治は素っ気なく応じるだけでした。
こずえは、羽田の交際相手が事件に関与しているのではないかと考え、独自に調べ始めます。
尋問で暴かれる、こずえの傷と怜治の狙い
こずえは小柳部長同席のもと、日下怜治の尋問を行います。こずえは、怜治が羽田美波と共謀し、タブレットを盗ませたのではないかと疑っていました。しかし怜治は、その疑いを否定します。
小柳が電話で席を外すと、怜治は態度を変え、
「俺と手を組まないか。タブレットの中身を教えろよ」
と、こずえに持ちかけました。
暴力騒動の“目的”を問うこずえ
こずえは、怜治に対し、暴力騒動を起こしたことには何か目的があったのではないかと問いかけます。
「冷静なあなたが、感情に任せて行動するなんて珍しい。何を隠しているんですか?」
そう詰め寄ると、怜治は意味深な言葉を口にしました。
「俺が“一緒に逃げよう”って言ったときさ。逃げられるはずもないのに、あんた、本気の顔してたよな。あの時、何を考えてたんだ?」
春臣の記憶がよみがえる——回想の痛み
その言葉を聞いた瞬間、こずえの脳裏に、かつての日下春臣の姿がよみがえります。
母親から激しい虐待を受けていたこずえは、腕に熱湯をかけられ、火傷を負ったことがありました。絶望の中で死を考えた彼女に、春臣は「一緒に逃げよう」と手を差し伸べてくれたのです。
しかしその後、春臣が別の女性と相合傘で歩いている姿を目撃し、こずえは深く傷つくことになります。
怜治の「助けてやろうか」が刺さる理由
過去の痛みを思い出し、動揺するこずえに向かって、怜治は静かにこう告げました。
「俺が、助けてやろうか」
拘置所内で起きた自殺未遂と査問会議
その後、拘置所内で収容者の自殺未遂事件が発生します。タブレット紛失によるデータ流出を恐れての行動だと考えられていました。
タブレットの中には、収容者の履歴や裁判記録、所内の見取り図、職員のシフト表など、極めて重要な情報が保存されていました。
小柳部長は責任を問う形で、こずえを査問会議にかけると宣言。拘置所内では大規模なガサ入れが行われます。
タブレット盗難の真相と、データ流出の衝撃
こずえは羽田のSNS写真から、詐欺容疑者・河北竜馬の存在に気づきます。羽田は関係を否定しますが、最終的にタブレットは工場棟裏で発見されました。
しかしこずえは、「まだ終わっていない」と強い違和感を覚えます。
査問会議でこずえは真相を報告しました。
羽田がタブレットを盗み、衛生係の小豆務が運んだ棚の中に隠していたのです。そして、そのデータは知らぬ間に河北の手に渡っていました。
河北はそのデータを渡海憲二に1億円で売ろうとしており、怜治はそのデータを奪い返すために動き出します。
屋上の攻防、そして怜治の転落
屋上でのもみ合いの末、データは奪還されますが、怜治は河北に突き飛ばされ、転落してしまいます。咄嗟にこずえは必死で怜治の腕をつかみますが、手は離れてしまいました。
怜治は腕を押さえてうずくまっていましたが、幸いにも命に別状はありませんでした。救急要請を願うこずえに対し、男性区区長の関川信也は査問会議への復帰を命じます。
その瞬間、怜治はデータをこずえに託し、こう言いました。
「言っただろ、助けてやるって」
裏で動く権力と教団「廻の光」
死刑囚・鎧塚の元に、ドアの下から教典のような本が差し込まれ、「データを入手したそうです」と書かれた紙が挟まれていました。
教団「廻の光」の信者で殺人容疑者の沼田貴史は、スマホにそのデータを写していました。「河北竜馬から手に入れたデータ、使えそうですか」と、同じく信者で殺人容疑者の西城直哉が問いかけます。
「脱獄に使えそうな人間が何人かいますね」
沼田が示したリストの中には、日下怜治の名前も含まれていました。
さらに小柳部長は、誰かと通話をしていました。
「日下怜治は余計なことを喋っていないだろうね?」と問われると、
「はい、ご安心ください。大臣」と報告していたのです。
「俺はやっていない」——怜治の叫びが示すもの
こずえは入院中の怜治の警備に当たっていました。検査は必要なものの、5日ほどで退院できる見込みだといいます。
こずえが「ありがとう。助けてくれて」と感謝を伝えると、怜治は必死な表情でこう訴えました。
「ここから逃がしてくれ。頼む。俺はやっていない。親父を殺していない」
冤罪の可能性、国家権力の闇、そして本当の黒幕の存在——。
脱獄まで、あと21日。
物語はここから、さらに緊迫した局面へと突入していきます。
第2話の感想|こずえと春臣の過去が少しずつ明らかに
第2話では、こずえと日下春臣の関係が少しずつ見えてきました。
こずえは確かに春臣を愛していたのだと思います。しかし二人は何らかの理由で破局を迎え、その後、春臣は別の女性と結婚したのではないでしょうか。
こずえが目にした相合傘の女性は、破局の原因だったのか、それともすでに別れた後の出来事だったのかは、まだはっきりしていません。ただ、その場面が彼女の心に深い傷を残したことは確かです。
「人生で一番愛し、一番憎んだ人」という言葉からも、春臣がこずえの人生においてどれほど重要な存在だったのかが伝わってきます。愛情と憎しみが同時に存在してしまうほど、二人の関係は深いものだったのでしょう。
なぜ二人は別れることになったのか。そこには相合傘の女性だけでは語れない、もっと複雑な事情があったのかもしれません。こずえと春臣の過去に一体何があったのか、今後明かされていく真実が気になります。
「一緒に逃げよう」という言葉が重なった残酷さ
怜治は、父・春臣がかつてこずえにかけた「一緒に逃げよう」という言葉を知っていて使ったわけではないように思います。
むしろ、父親と同じ言葉を偶然口にしてしまった——その可能性のほうが高いのではないでしょうか。
怜治にとっての「一緒に逃げよう」は、生き延びるための現実的な選択肢の一つであり、相手の心を揺さぶる意図はなかったはずです。
しかしその言葉は、こずえにとって最も忘れられない過去と重なってしまいました。
かつて人生で一番愛した男性から言われた言葉を、今度はその息子から聞くことになる——それは偶然であるがゆえに、あまりにも残酷です。
こずえが苦しそうな表情を浮かべたのは、怜治の言葉が春臣を思い出させたからだけではありません。その言葉が、逃げられなかった過去、選ばなかった人生、そして今も心の奥底に残り続ける後悔を、一気に呼び覚ましてしまったからではないでしょうか。
第2話の考察①|怜治はなぜ無実を主張しないのか
日下怜治は、父親殺しの犯行について、否定も肯定もしていません。
本来、やっていないのであれば強く無実を主張するはずです。しかし怜治は、それをしようとしません。この点が、これまで最も気に掛かっていました。
そんな中で浮かび上がったのが、小柳太介と“大臣”の電話でのやり取りです。
「日下怜治は余計なことを喋っていないだろうね?」
この一言から、極めて公的な立場にある人物――大臣が、日下春臣の殺害事件に関与しているのではないかという疑念が生まれました。
もし警察内部と権力者が裏でつながっているのだとしたら、怜治がいくら無実を訴えても、その声は簡単に握りつぶされてしまう可能性があります。
怜治自身が、この裏の関係をどこまで把握しているのかは分かりません。しかし、何か“おかしな力関係”が存在していると感じ取っていたからこそ、彼は犯行を否定も肯定もしなかったのではないでしょうか。
このままでは、怜治は強盗放火殺人犯として裁かれ、極刑を免れない立場に追い込まれてしまいます。
だからこそ彼は、あえて脱獄という選択肢を視野に入れ、その準備に向けて動き出したのではないかと考えられます。
ただし、脱獄が成功したとしても、待っているのは逃亡者として追われ続ける人生です。いずれ再び捕まる可能性は極めて高いでしょう。
この状況を根本から覆すためには、ただ一つ――真犯人を見つけ出すことしかありません。
物語は、このまま真相解明へと進んでいくのか。それとも、救いのない破滅的な結末へ向かってしまうのか。第2話の時点ではまだ断言できませんが、今後の展開から目が離せません。
第2話考察②|脱獄リストは偶然生まれたものだったのか
教団側が手にしていた「脱獄に使えそうな人間のリスト」は、最初から用意されていたものではなかった可能性が高いと感じました。
そもそも所内データは、河北竜馬が羽田美波にタブレットを盗ませたことで初めて外部へ流出しています。収容者情報や職員シフト、見取り図といったデータがなければ、脱獄計画そのものが成立しなかったはずです。
つまり、脱獄リストが作られたのは、河北がデータを入手した“後”だったと考えるのが自然ではないでしょうか。
河北の動機はあくまでも金でした。彼はそのデータが高値で売れると踏み、羽田に盗みを指示したに過ぎません。
そのため、河北が最初から教団の信者とつながっていたのか、それとも偶然データを手に入れたことで信者側に目をつけられたのかは、現時点では分かりません。
信者からの依頼だった可能性も、完全な偶然だった可能性も、どちらも否定できないのです。
結果として、金を求めた犯罪者と、信仰のために脱獄を目指す教団、そして自身の無実を晴らすために脱獄を狙う怜治――三者の思惑が、偶然にも同じ一点で交差することになりました。
誰か一人が全てを操っていたわけではなく、それぞれが自分の目的で動いた結果、事態が取り返しのつかない方向へ転がっていく。この構図こそが、『パンチドランクウーマン』の怖さなのかもしれません。
第2話まとめ|脱獄計画が動き出した本当の理由
第2話では、タブレット紛失事件をきっかけに、拘置所の内と外で複数の思惑が静かに交差し始めました。
日下怜治は無実を主張することなく、自ら乱闘事件を起こして懲罰房へ入り、教祖・鎧塚弘泰に近づきます。その行動は衝動ではなく、脱獄という選択肢に賭けるための計画でした。
一方で、教団「廻の光」もまた、教祖を救い出すために独自に動いていました。ただし脱獄に必要な情報は、最初から揃っていたわけではありません。
河北竜馬が金になると踏み、羽田美波に盗ませたタブレット。そのデータ流出が、結果的に「脱獄に使えそうな人間のリスト」を生み出すことになりました。それが偶然だったのか、信者の依頼だったのかは、今もはっきりしていません。
無実を晴らしたい怜治、金を求めた犯罪者、信仰に突き動かされた教団――それぞれが別々の目的で動いた結果、脱獄計画は誰の思惑とも完全には一致しない、極めて危うい形で動き出してしまったのです。
そこに重なるのが、こずえと春臣の過去でした。「一緒に逃げよう」という言葉が、父と息子を通して再びこずえの前に現れたことで、彼女の時間もまた止まってはいられなくなります。
脱獄は果たして成功するのか。怜治は真犯人に辿り着けるのか。そしてこずえは、再び“逃げる選択”と向き合うことになるのか。
脱獄まで残された日数は、あと21日。
誰か一人の計画ではなく、偶然と欲望が重なった先に待つ結末が、物語をさらに緊迫した局面へと導いていきます。
第3話の注目ポイント
・怜治は教団の脱獄計画の主導権を握れるのか、それとも利用される側に回ってしまうのか。
・タブレットのデータ流出は、どこまで広がってしまったのか。新たな人物が関与する可能性も気になります。
・「一緒に逃げよう」という言葉を再び突きつけられたこずえは、管理者として、そして一人の人間として何を選ぶのか。
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