※本記事は、ドラマ『夫に間違いありません』第5話の内容を含みます。
未視聴の方はご注意ください。
第5話では、これまで前提として語られてきた遺体の取り違えを踏まえたうえで、
紗春と一樹の証言が食い違う「夜」に焦点が当てられました。
事故死と判断された背景や、身分証をめぐる違和感が重なり、
真実が簡単には語れない状況が、人物たちの言動から浮かび上がってきます。
事故死と判断された前提が揺らぐ中で、
「本当に何が起きていたのか」が、静かに、しかし確実に問われる回でもありました。
特に、紗春が聖子に近づき、あえて話を切り出す姿は、
事実を告白するためというより、相手の反応を確かめようとしているようにも感じられました。
本記事では、第5話のあらすじを整理しながら、
紗春と一樹の証言のズレが何を示しているのか、
視聴者に残された違和感をもとに読み解いていきます。
『夫に間違いありません』第5話あらすじ(ネタバレ)
紗春の接近と聖子の疑念
紗春は、一樹の写真にある右手の二つ並んだホクロに気づき、強い親近感を覚えます。突然、聖子の店を訪れ「働かせてほしい」と頼み、聖子は罪悪感からパートとして受け入れてしまいます。
紗春は、夫が日曜日に失踪したため、その曜日だけは仕事を入れないようにしていると語ります。一方で聖子は、紗春が保険金や遺体取り違えの件を探りに来たのではないかと疑い始めます。
一樹と光聖の決裂
一樹は瑠美子の週刊誌記事を見つけ、パチンコ店で光聖と遭遇します。光聖は「これ以上、聖子を巻き込まないでほしい」と告げ、「家族を裏切ることはしない。あなたはもう家族じゃない」と言い放ち、その場を去ります。
遺体取り違えの手がかり
紗春は、一昨年の冬に一樹に似た酔っ払いに会ったことがあると、聖子に話します。
その話を一樹に確認すると、立ち飲み屋で客に絡まれた記憶があり、その際に身分証や財布を落とした可能性が浮かび上がります。
一樹は当時の状況を振り返り、次のように語ります。
「じゃあ、その人が拾ったのか。俺の財布だよ。
ずっと遺体の男が拾ったと思っていたけど、
その女の人が拾って、旦那に渡したんじゃないか」
さらに一樹は、その日付についてもはっきりとした記憶があるといいます。
「それはクリスマスイブの日曜だった」
しかし聖子は、紗春が
「クリスマスイブの日は、夕方からずっと夫の帰りを待っていた」
と話していたことを思い出し、それは勘違いではないかと伝えます。
それでも一樹は「間違いない」と言い切ります。
「じゃあ、紗春さんが嘘をついたってこと?」
聖子のその言葉が、重く残るのでした。
幸せな未来と不穏な違和感
光聖は婚約者と街で偶然会い、お腹の子を含めた家族の幸せを誓います。その一方で、栄大は以前撮影されたアパートの動画から部屋番号が「202号室」であることを確認し、光聖が語っていた番号との食い違いに違和感を覚えます。
同じ頃、一樹はその部屋から姿を消そうとしていました。
週刊誌記者の追及と衝撃の切り札
週刊誌記者・天童は、光聖に九条ゆりの汚職について取材を行い、帳簿不正にも迫ります。記事化を止めようとする光聖でしたが拒否され、最終的に光聖は「久留川殺人事件の犯人を知っている」と告げ、汚職事件との交換条件を持ち出します。
犯人の名前が明かされる直前で、第5話は幕を閉じます。
考察|事故死と取り違えが生んだ「真実を語れない世界」
事故死という判断が生んだ取り違え(前提の整理)
久留川で見つかった遺体が事故死と判断され、
DNA鑑定が行われなかったこと、
そして遺体が一樹として処理されたことは、第1話の時点ですでに示されていました。
この判断によって、聖子は一樹の死を受け入れ、保険金も支払われます。
一方で、紗春の夫は「生死不明」のまま取り残されました。
さらに第5話では、紗春が一樹の身分証を拾っていた可能性も示唆されました。
別人が一樹の免許証を所持していた以上、
その身分証が警察に届けられていなかったことは明らかです。
それが、事故死と判断された遺体が一樹本人だと誤認された、
大きな要因の一つだったと考えられます。
第5話では、このすでに確定していた前提の上に、
なぜ真実が修正されないまま時間が過ぎていったのか、
その歪みが具体的な人物の言動として浮かび上がってきます。
紗春が抱える矛盾と行動の理由
紗春が保険金を受け取れず、今も保険料を払い続けているのは、夫の死を信じていないからではなく、
夫の死亡を証明できないからです。
だから彼女は、警察ではなく聖子に近づき、
一樹が本当に生きているのかを確かめようとしたのではないでしょうか。
真実が明らかになったときに起こる「連鎖的な崩壊」
一樹の生存が明らかになれば、遺体の取り違えは確定します。
しかし同時に、聖子の家族は保険金詐欺の当事者となり、
光聖も殺人事件の家族として世間に晒されることになります。
真実は、誰かを救うと同時に、誰かを確実に壊します。
天童の存在が示す「隠せない現実」
さらに天童の存在が、事態を「隠せない段階」へ押し上げています。
彼は九条ゆりの汚職と留美子殺害事件、
そして光聖との取引そのものを記事にできる記者です。
記者に知られた時点で、真実は当事者の手を離れてしまいます。
紗春と一樹の証言が食い違う意味
今回、特に印象的なのは、紗春と一樹の証言がはっきりと食い違っている点です。
一樹は、身分証を落としたのはクリスマスイブの夜だと断言していますが、
紗春はその日、夕方から夫の帰りを待っていたと語っていました。
この食い違いは、単なる記憶違いとは言い切れません。
どちらかが事実を誤っているのか、
あるいは語られていない時間帯や出来事が存在する可能性も考えられます。
紗春は何を確かめようとしているのか
紗春がこの話を聖子に持ち出したのは、
一樹の生存を確かめるためであると同時に、
自分自身の記憶や出来事を、誰かと照らし合わせずにはいられなかったからなのかもしれません。
また彼女は、事実を告げるためではなく、
聖子の反応を確かめるために話しているようにも見えます。
断定を避け、小出しに語る姿勢は、
真実を隠すためというより、
自分の疑念が間違っていないかを他人の反応で確かめようとする行動なのかもしれません。
隠せない真実と残された選択
隠せるなら隠したい。
けれど、この物語はすでに隠し通せる場所を失っています。
残されているのは、真実を誰が、どの形で引き受けるのかという選択だけなのかもしれません。
まとめ
第1話の時点で、川で見つかった遺体が事故死と判断され、
その結果として遺体の取り違えが起きていたことは示されていました。
第5話では、その前提を踏まえたうえで、
なぜ真実が表に出てこなかったのかが、より具体的に描かれた回だったと言えます。
特に印象的なのは、紗春と一樹の証言がはっきりと食い違っている点です。
このズレは単なる記憶違いではなく、
語られていない時間帯や出来事の存在を強く示唆しています。
紗春は真実を告白するためではなく、
聖子の反応を見ることで、自身の疑念が間違っていないかを確かめようとしているようにも見えました。
一樹が生きている以上、真実はいずれ動き出してしまう。
第5話は、その避けられない瞬間が近づいていることを印象づける回だったのではないでしょうか。
前回・第4話あらすじ(ネタバレ)
第4話では、第1話から示されてきた「一樹が生きている」という前提のもと、
聖子が真実を告白するか、家族を守るために隠し通すかという選択を迫られます。
一樹は瑠美子の死について事故だったと語り、
このまま二人で秘密を抱え続けようと聖子に訴えます。
一方で、天童や光聖も事件の違和感に近づき始め、
真実が表に出る危うさが強まっていきました。
番組情報
- 作品名:夫に間違いありません
- 放送開始日:2026年1月5日(月)
- 放送時間:毎週月曜 よる10時〜
- 放送局:フジテレビ系(関西テレビ制作)
- 放送枠:月10ドラマ
- ジャンル:サスペンス・ヒューマンドラマ
作品概要
本作は、事故死と判断された遺体の取り違えを発端に、
真実を知ってしまった人々が抱える葛藤や選択を描くドラマです。
家族や罪、そして「守るべきもの」を巡る心理が、重層的に描かれていきます。
キャスト
- 朝比聖子:松下奈緒
- 葛原紗春:桜井ユキ
- 天童:宮沢氷魚
- 貴島光聖:中村海人
- 朝比一樹:安田顕
主演の松下奈緒が演じる聖子を中心に、
それぞれが「真実を知った側」「隠したい側」「確かめたい側」として交錯していく構成となっています。

