「小さい頃は、神様がいて」最終回感想【ネタバレあり】|離婚後も続く、熟年夫婦の静かな愛

2025年ドラマ

子供が幼い頃、あんは育児に行き詰まりを感じていた日々があった。

泣きながら、「子供が成人したら離婚してほしい」と渉に伝える――
あんを宥めようと、渉は咄嗟に約束してしまう。

渉は、まさかその約束が今も生きているとは思っていなかった…。

それは衝動ではなく、長い結婚生活をかけてあんの中で固めた決意。
嫌いになったわけじゃない。むしろ、好きだからこそ離れたい。
別れたい妻と、別れたくない夫。
それでも二人は、愛を手放さずに“別の形”を選んでいく。

離婚後も変わらない愛

あんは自立に向けて歩み始め、渉は本心では別れたくない。
離婚で辛さは増すけれど、あんへの想いはますます強くなる。
渉の心の揺れや切なさが丁寧に描かれていて、見ているこちらの胸もぎゅっとなる。

大寒波の日の再会

あんの部屋のエアコンが壊れたことを口実に、渉はかつて二人が住んでいたマンションにあんを呼ぶ。
老夫婦や同性愛カップルの女の子たちも集まる賑やかな中で、渉はあんへの変わらぬ愛を語る。
渉は「このマンションに越してこないか」と提案するけれど、あんはびっくりして保留に。
それでも、渉のまっすぐな気持ちが伝わる、ほっこりするシーンだった。

マンションでの小さな奇跡

買い物先でばったりあった二人は、マンションへの帰り道を一緒に歩く。階段を上ってあんの部屋の前に到着。
渉が「クラムチャウダーを作るから食べにこない?」と声をかけると、最初は断ろうとするあんも思い直して部屋へ向かう。
途中でアサリを買い忘れたことに気づき、二人で文句を言いながら買い物に行く――かつて住んでいたマンションの別の階にあんが引っ越してきたのがわかるシーン。離婚しても自然に一緒に過ごせる、そんな穏やかな時間が胸に残る。

別れたけれど理想的な関係

離婚しても、あんは渉が嫌いなわけじゃない。むしろ好きだ。渉はあんを愛している。
結婚中は理解していなかったあんの気持ちに向き合い、自分の「一緒にいたい」という気持ちを抑えて離婚を選んだ渉の愛と成長が心に響く。
別れた当初は切なさで胸が締めつけられたけれど、あんが同じマンションに引っ越してきたことで、互いに尊重しながらも会いたいときにすぐ会える関係になった。
温かくちょっと切ないけれど、これも熟年夫婦の理想的な距離感なのかもしれない。

タイトルとURLをコピーしました