※本記事は、NHK連続テレビ小説『ばけばけ』第88話・第18週「マツエ、スバラシ。」の内容を含みます。
未視聴の方はご注意ください。
第88話では、根拠のない噂や差別的な視線によって日常を脅かされるトキとヘブンの姿が描かれました。
嫌がらせが続く中で、ヘブンが眠るトキのそばで見せた言葉や態度は、過去の痛みと重なって見える場面でもあり、視聴者の胸に強く残ります。
一方で、トキを思い屋敷に集まった人々の存在や、「マツエ、スバラシ。」というヘブンの言葉からは、心無い声ばかりではないという希望も確かに感じられました。
本記事では、第88話の出来事を整理しながら、ヘブンの呟きがどのように受け取れるのか、また人の温かさがもたらした救いについて、一視聴者としての感想と考察をまとめていきます。
『ばけばけ』第88話・第18週「マツエ、スバラシ。」あらすじ(ネタバレ)
周囲の視線に疲弊する日々
自分たちを見る人々の態度が一変したことに、司之介とフミは心身ともに疲れ切っていました。
錦織も駆けつけますが、トキの不安はなかなか拭えません。
夜、ヘブンは眠るトキのそばで見守りながら、「ごめんなさい。私、異人だから」と呟きます。
その言葉を聞いたトキは、気づかぬふりをしながら、静かに涙をこらえて眠り続けるのでした。
書き込みと、それでも続く日常
翌朝、屋敷の外には大量の書き込みが投げ込まれていました。
トキを気遣うヘブンは、屋敷の中で「行ってきます」とキスを交わし、学校へ向かいます。
その直後、サワが朝早くから駆けつけます。
サワの姿を見たトキは、堰を切ったように泣き出してしまいました。
やがて落ち着いたトキとサワは、屋敷の中で笑い合いながら語り合います。
サワは「何も悪いことはしていないのだから、堂々と暮らせばいい」とトキを励ましました。
そこへ、なみも加わり、三人は長屋にいた頃を思い出しながら、束の間の楽しい時間を過ごします。
支え合う人たちの存在
帰宅したヘブンは、屋敷に集まった人々の姿を見て、
「マツエ、スバラシ。スバラシイノヒトタチ」と感謝の言葉を口にします。
ヘブンは中学校の生徒たちや錦織、庄田も連れてきていましたが、
サワと庄田は、かつてのプロポーズを断った出来事もあり、どこか気まずい様子でした。
しかし、騒動はまだ終わりません。
ヘブン宅には、毎朝のようにうちわや書き込みが投げ込まれ続けていました。
変化の兆し
フミはほっかむりをして、トキの代わりに買い物へ出かけます。
声をかけられると、逃げるように屋敷へ戻る日々が続いていました。
ヘブンは、いつもと変わらず、屋敷の外に投げ込まれた書き込みを拾い集めます。
そんな日々が続くと思われたある朝。
屋敷の中でトキに挨拶をして外へ出たヘブンは、
そこに何も投げ込まれていないことに気づきます。
迎えに来た錦織に、ヘブンは「何もない」と告げ、
トキやフミもまた、外の様子を見て「きれい」と口にするのでした。
静けさの中で迎える終わり
騒動の終わりをはっきりと告げる出来事はなく、
ただ、何もない朝が静かに訪れます。
人々の視線に翻弄されながらも、支え合うことで前を向こうとする姿が描かれた回でした。
『ばけばけ』第88話|感想
ヘブンの呟きに重なる過去の記憶
ヘブンは、眠っているトキのそばで「ごめんなさい。私、異人だから」と呟きました。
この言葉には、かつてアメリカに住んでいた頃の記憶が重なっていたのではないでしょうか。
ヘブンは以前、黒人女性と結婚していましたが、当時のアメリカでは黒人と白人の結婚は社会的に許されず、激しい差別と偏見にさらされていました。その過酷な環境の中で、結婚生活がうまくいかなくなってしまった過去があります。
差別と偏見が色濃い国を離れ、日本へ来たヘブンにとって、まさか再び同じような視線に晒されるとは思ってもみなかったのかもしれません。
「マツエ、スバラシ。」に込められた思い
一方で、トキを励まそうと多くの人が屋敷に集まってくれた光景を目にし、ヘブンは「マツエ、スバラシ。スバラシイノヒトタチ」と感動の言葉を口にしました。
心無い行動を取る人ばかりではなく、温かい心を持った人々が確かに存在する――その事実に触れられたことは、ヘブンにとって大きな救いだったはずです。
嫌がらせが続く中で、心が折れそうになる瞬間もあったと思いますが、支えてくれる人たちがいたからこそ、前を向いて耐えることができたのでしょう。
「人のうさわも七十五日」が示す希望
前回、車夫の野上が語っていた「人のうさわも七十五日」という言葉の通り、ある日突然、屋敷に書き込みが投げ込まれなくなりました。
長く続くように思えた嫌がらせも、いつかは終わりを迎える――そのことを静かに示す出来事だったように感じます。
このまま嫌がらせが収まり、再び穏やかな日常を取り戻せる日が訪れることを、心から願わずにはいられません。
まとめ
第88話では、差別や偏見に傷つきながらも、人の優しさに救われていく姿が静かに描かれました。
ヘブンの「私、異人だから」という呟きには、過去の痛みと、トキを守れないかもしれないという自責の念が重なっていたように感じます。
一方で、屋敷に集まった人々の存在は、心無い声ばかりではないことを確かに示していました。
「マツエ、スバラシ。」という言葉は、町そのものではなく、人の心の温かさを讃えたものだったのでしょう。
噂や嫌がらせは、野上の言葉通り、いつか静かに消えていきました。
この先、トキとヘブンが再び穏やかな日常を取り戻せることを願わずにはいられない回でした。
あわせて読みたい|第87話ネタバレ感想
第87話では、噂や偏見が一気に広がり、町の空気が目に見えて変わっていく様子が描かれました。
トキを守ろうとする人々の思いと、善意とは裏腹に傷ついていく現実が交錯する回となっています。
番組情報
作品名:『ばけばけ』
放送局:NHK
放送時間:月曜〜金曜 あさ
ジャンル:連続テレビ小説(ヒューマンドラマ)
主演:髙石あかり
出演:トミー・バストウ、岡部たかし、池脇千鶴、円井わん ほか
制作:NHK
