ドラマ『ラムネモンキー』第4話は、ユンこと紀介(菊原紀介)が37年間抱え続けてきた「痛み」と向き合う、魂の回となりました。
マチルダをストーキングしていたと思われていた佃将道の意外な正体。しかし、その再会がきっかけで、紀介の心に封印されていた「カンフーの英雄」ではない、悲しい中学時代の記憶が呼び起こされます。
誰にでも優しいユンが、なぜ佃に「許さない」と告げたのか。今回は、大人になったからこそ響く、過去との決別と母への愛の物語を振り返ります。
ユンが過去と向き合い、親友たちと笑い合えた第4話。しかし、物語はここで終わりではありません。次回の第5話では、かつての溜まり場「ビデオジュピター」の店主が登場し、3人の記憶を揺さぶる衝撃の展開が待ち受けています。
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※本記事は『ラムネモンキー』第4話のネタバレを含みます。未視聴の方はご注意ください。
『ラムネモンキー』第4話ネタバレあらすじ
佃将道との再会――容疑は晴れる
吉井雄太、藤巻肇、菊原紀介の3人は、マチルダにつきまとっていたとされる不良のリーダー格・佃将道を訪ねる。
現在は福祉施設を運営する佃は別人のように穏やかで、ストーカー疑惑を否定。理容室を覗いていたのはマチルダではなく、紀介の母・祥子に憧れていただけだと明かす。こうして佃の容疑は完全に晴れる。
蘇るいじめの記憶と怒り
しかし紀介の中で封じ込めていた記憶が蘇る。
中学時代、カンフーで不良を倒したというのは妄想で、実際はいじめられていた側だった。母が切ってくれた髪型を嘲笑され続けた過去に怒りが噴き出し、「許さない」と感情をぶつける。
母への愛と過去との決別
失踪していた祥子の件は無事に解決し、母への深い愛情が描かれる。
再び佃と向き合った紀介はカンフーのポーズを取るが、それは復讐ではなく過去との決別の象徴だった。許さない——けれど、もう憎んではいない。三人の友情はより強く結び直される。
事件はまだ続く
マチルダ殺害事件の真相は依然不明。
次回は新たな容疑者へと焦点が移っていく。
『ラムネモンキー』第4話 感想・考察
「許さない」は復讐ではなく、境界線の宣言
今回もっとも胸に残ったのは、紀介の「僕だけは君を許さない」という言葉でした。
もし自分が紀介の立場だったらどうだろう、と考えます。相手が更生し、社会的に評価される立場になっていたとしたら——怒りを表に出すことすらためらってしまうかもしれません。
でも紀介は違いました。謝罪を受け入れるかどうかは、自分の時間軸で決めると示したのです。
ここで描かれていた「許さない」は、復讐ではありません。それは自分を守るための境界線の設定だったように感じます。
加害者の再生と、被害者の再生は別の軸にある。その現実を、このドラマはとても静かに、しかし誠実に提示していました。
37年越しに笑えたカンフーポーズ
中学時代のカンフー妄想が、実は真逆だったという展開はユーモラスでありながら切ないものでした。
ラストで紀介がポーズを取り、思わず吹き出してしまうあの瞬間。あの笑いは、37年分の「思い込み」や痛みを、ようやく自分の中で消化できた証のようにも見えます。
許さないままで、笑えるようになった。それは敗北ではなく、大人としての強さなのかもしれません。
また、漫画を描く場面では、津田健次郎さんの低音ボイスが印象的で、少年のように目を輝かせる姿が愛おしくもありました。51歳になっても、夢に触れるときの表情は変わらない——そのコントラストが、この回の温度をやわらかくしていました。
髪型は、母の愛の象徴だったのかもしれない
母・祥子との関係も、今回はより深く描かれました。
「安心したけれど、どこか複雑だった」という本音は、家族を支える立場の葛藤を率直に映し出しています。
特に印象的だったのは、母が切ってくれた特徴的な髪型。あれは単なる見た目ではなく、母の愛情そのものだったのではないでしょうか。
だからこそ、それをからかわれた経験は、見た目以上の傷として残った。母の愛まで否定されたように感じたから、紀介はあれほどまでに強く反応したのかもしれません。
中年の友情が教えてくれること
最後に三人でカンフーポーズを決める場面は、ただのほほえましいシーンではありませんでした。
あれは、「お前は一人で抱えなくていい」という無言のメッセージにも見えます。
中年になると、弱さを見せる機会は減ります。けれど紀介は、この年齢になってようやく、友人の前で感情を吐き出し、そして笑うことができました。
許さないという選択をしながらも、孤立しない。その姿は、現代を生きる大人たちへの静かなエールのように感じます。
第4話は、後悔や傷を抱えたままでも前に進めることを描いた一話でした。マチルダ事件の真相はまだ続きますが、この回は紀介という人物の再出発を丁寧に描いた重要なエピソードだったと思います。
まとめ
第4話は、マチルダ事件の裏側に隠されていた、ユンこと紀介(菊原紀介)の「心の再生」を描いた極めて重要なエピソードでした。
かつてのいじめっ子・佃が善人になっていたという皮肉な再会。しかし、それはユンが自分の過去を「妄想」で上書きするのをやめ、ありのままの自分を受け入れるための必要なプロセスだったのかもしれません。
「許さない」と宣言することは、決して後ろ向きなことではありません。それは、自分の傷を自分で認め、人生の主導権を取り戻した証でもあります。
母・祥子への愛を再確認し、37年越しに親友たちと笑いながら決めたカンフーポーズ。あの晴れやかな表情こそが、今回の真の結末だったのではないでしょうか。
さて、ユンの過去に一区切りがついた一方で、マチルダ失踪の真相は依然として霧の中です。次回はどのような新事実が浮上するのか。三人の友情が事件をどう動かしていくのか、引き続き目が離せません。
ユンの心が救われたのも束の間、物語はマチルダ失踪事件の核心へと、より不穏な方向へ舵を切ります。3人が「勝手に忘れてしまった」記憶とは一体何なのか――。
続きの第5話の考察・感想はこちらの記事で詳しくまとめています。
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▶︎『ラムネモンキー』第5話ネタバレ感想|物語の向きを変えた「あの一言」とジェイソンの影
番組情報
番組名:『ラムネモンキー』
放送局:フジテレビ
放送日時:毎週水曜 よる10時
脚本:古沢良太
出演:反町隆史/大森南朋/津田健次郎/木竜麻生/福本莉子 ほか
公式ホームページ:
番組公式ホームページ

