御厨ホールディングスとの被害者遺族の集団訴訟、樹と真琴の葛藤、そして家族の絆――最終回は、社会問題と人間ドラマが静かに交錯するクライマックスを迎えます。
不倫スキャンダルによる混乱
樹と利人の妻・真琴が不倫していると週刊誌に報じられ、事態は混乱します。樹は原告側、真琴は御厨専務の妻という立場のため、マスコミが自宅やマンションに押しかけ、騒動は広がります。「Heaven’s messenger」にもキャンセルの電話が相次ぎ、樹は迷惑をかけたことを詫び、退職願を提出。社長の磯部は辞めないでほしいと説得し、樹の重要性を改めて示しました。
記者の登場と下田への訪問
樹のマンションに張り込んでいた記者が陸を見つけ、話を聞きに来ます。急いで陸を連れ戻した樹は、陸とともに下田の真琴の亡くなった両親の家へ向かいます。
海に出かけようとした際、陸が「不倫って何?」と尋ねます。真琴は「陸くんはまだ知らなくていいのよ」と答えるのが精一杯でした。真琴の母も、妻のいる男性と暮らして真琴を産んだ過去があり、子どものころの自分と重なり、胸に切なさが込み上げます。
訴訟の行き詰まりと樹の挑戦
裁判は行き詰まり、証言予定の証人が断ります。磯部の亡き息子のPCデータが御厨専務・利人の手に渡り、樹は懇願するも拒否されます。
それでも樹は諦めず、御厨に遺品整理の仕事に携わらせないよう断罪し、ある書類を手渡します。
利人の覚悟と告発
樹が去った後、利人は書類を確認します。そこには御厨関連の遺品整理会社が自殺を隠蔽するためのマニュアルが記されていました。この事実を知った利人は覚悟を決め、記者会見で御厨ホールディングスによる過労死の隠蔽を告発。原告側はついに報われます。
これまで、父親のやり方に疑問を持ちながらも、意見を通すことができなかった利人が、自分のやり方でこれからは会社をやっていくという信念を感じた瞬間でした。
静かに紡がれる家族の時間
樹が下田の真琴の元へ戻ると、置き手紙があり、真琴はいなくなっていました。
真琴は、樹とこのまま宙ぶらりんな関係を続けるよりも、辛くても、一旦離れることを選んだのだと思います。
時は流れ、息子の陸は成長し、子ども時代の面影を残しつつ思春期を迎えています。樹は変わらず遺品整理の仕事に従事しています。
再会と新しい日常
仕事で病院へ向かう途中、樹は真琴とよく過ごした公園に立ち寄ります。そこには絵本作家として活動する真琴の姿があり、絵本には「みくりやまこと」ではなく「あゆかわまこと」と記されていました。二人の関係は社会的に不倫ではなくなり、新しい一歩を踏み出せるようになりました。
深い余韻とラストメッセージ
不倫スキャンダルや社会的圧力、個人的な葛藤――すべてを乗り越えた樹たちの物語は、派手な解決ではなく、静かな正義の実現と再会の感動で締めくくられます。
樹は亡き妻を思いながら遺族に向き合う仕事を選びましたが、真琴との再会により、新しい幸せを見つける希望を胸に抱きます。
