未来がどうなるかはまだわからない。世界は変わるかもしれない——
たとえ10年後に死ぬかもしれなくても、その10年は尊い。
文太のその想いが、最終回で強く胸に残った。
文太という人の、静かで切ない優しさ
想いを押し殺し、幸せを願う姿
最終回を観て、文太の四季への想いに胸がぎゅっとなった。
自分の気持ちは表に出さず、四季が幸せになる道をそっと整える。
その選択が、あまりにも優しくて切ない。
派手さはなくても、心に残る存在感
文太は決して目立つ行動を取る人物ではない。
けれど、その静かな思いやりが物語に深みを与え、
気づけば自然と応援したくなる存在だった。
心を揺さぶられた、四季を救う場面
死を選ぼうとする四季
「過去の兆と自分が死ねば、1000万人は死なずに済む」
そう考えた四季が、事故で天井が落ちてくる場所へ向かう場面は、
見ていて胸が苦しくなった。
能力ではなく、想いで救った瞬間
人に触れると気持ちがわかる文太は、
四季の本心——死にたくない、怖い——を感じ取る。
10年後に死ぬ未来が見えていたとしても、
「その10年でも尊いから生きてほしい」と願う文太の想いが、
強く伝わってきた。
身を引くことで示した、本当の愛
ラブラブ作戦に込めた決断
文太が仕込んだ「ラブラブ作戦」は、
四季と兆を結びつけるためのものだった。
自分の想いを手放し、大切な人の幸せを選ぶ決断は、
簡単なものではなかったはずだ。
片思いでは終わらない愛情
文太の愛情は、想いを伝えることではなく、
行動と選択で示されていた。
だからこそ、その優しさが深く胸に残る。
生き延びた先にある、新しい使命
エスパーであることをやめた仲間たち
薬を飲まない選択をした文太、円雀、半蔵、桜介。
兆から「エスパーになる薬を飲む人材を選ぶ基準はいらない命。あなた達は、自分に出会わなければ死んでいた。」と告げられた。
あまりにも残酷な言葉で、思わず腹が立った。こんな発言ができてしまう兆という人物の感性には、強い違和感を覚える。
「生き抜くこと」がこれからの目標
いらない命だと言われた彼らが、
それでも新しい年を迎えられた。
これからは死なないで生き抜くことがミッションだと、
前を向く姿に勇気をもらった。自分たちのやりたいことを見つけ、充実した人生を送ってほしい。
少し引っかかった点も含めて
年老いた兆の正体
以前出演した白い服を着た坊主頭の老人。これは一体誰なのかと思っていたら、
年老いた兆だったと明かされた場面には驚いた。全然面影ない…。そう感じた視聴者も、きっと少なくなかったと思う。
拭えなかった違和感
顔立ちの違いには少し違和感が残ったが、
それでも物語全体の温かさを損なうほどではなかった。
ただ、欲を言えば、もう少し似てる人が良かったと思う。
続編があるなら、描いてほしい未来
四季の10年後と、文太たちのこれから
もし続編があるなら、10年後に四季は本当に死んでしまうのか——
その答えを、どうしても知りたい。
そしてもうひとつ、エスパーになる薬を飲まなくなった文太たちが、
力に頼らず、どんなふうに生きていくのか。
未来を知ることよりも、未来を選ぶことを選んだ彼らのその後を、
物語として見届けたいと思う。
観終わったあとに残るもの
切なさと希望が入り混じる物語で、
何度でも観返したくなる最終回だった。
登場人物たちの選択を通して、
自分の「大切な人との時間」を考えさせられる作品だ。
それでも人は、大切な人を選んでしまう
兆からすれば、1000万人の命よりも自分の大切な人の命を守りたい。
そう考える人は、きっと少なくないだろう。
利己的だけれど、とても人間らしい選択だとも思う。

