※本記事は、NHK連続テレビ小説『ばけばけ』第14週
「カゾク、ナル、イイデスカ?」の内容を含みます。
未視聴の方はご注意ください。
第14週は、「家族になるとはどういうことなのか」を
突きつけられる、重くも印象的な一週間でした。
結婚という形が整っても、
気持ちや過去までが自然に共有されるわけではない――
その現実が静かに描かれていたように感じました。
本記事は、第14週全体の流れと物語のテーマに焦点を当てた
感想・考察記事です。
各話ごとの個別感想記事は未掲載のため、
一週間を通した視点で振り返っています。
詳細をお知りになりたい方は、
番組公式ホームページ
をご覧ください。
NHK朝ドラ『ばけばけ』第14週「カゾク、ナル、イイデスカ?」は、
トキとヘブンが「家族になる」とはどういうことなのかを、
真正面から問われる一週間でした。
結婚を喜ぶ一方で明かされる嘘。
正直でいられなかった理由。
そして、家族として受け入れ合うまでの過程――
本記事では、三之丞という存在が浮かび上がらせた
「家族のかたち」に注目しながら、
第14週の物語を振り返っていきます。
『ばけばけ』第14週あらすじ|家族になるためについた嘘(ネタバレ)
トキは、ヘブンに話があると出雲へ呼び出されます。
ヘブンの日本滞在記が完成間近だと聞き、錦織が「完成すれば帰国するのか」と尋ねると、ヘブンはこう答えました。
「いてもいいですか?
ずっと隣に居させてください」
トキの手を取り、まっすぐ想いを告げるヘブン。
トキは「ハイ」と答え、二人は錦織とともに出雲大社を訪れ、永遠の愛を誓い合います。
松江に戻ったトキは、家族に結婚の報告をしていないことに気づきます。
すぐに挨拶へ行こうとするヘブンを止め、まずは自分が話すと決めますが、なかなか言い出せません。
ヘブンを送り出した後、意を決したトキは家族のもとへ向かい、
「ヘブン先生と夫婦になります」
と頭を下げます。
父は異国の人との結婚に反対しますが、
おじじ様は「すいちょるならしかたない」と言い、二人の結婚を認めました。
結婚が許されたことを知ったヘブンは大喜びし、披露宴パーティーを開きます。
しかしそこで、トキが三之丞を「社長」と紹介したことで、場の空気は一変します。
嘘をついたまま家族を紹介されたことに、ヘブンは
「嘘嫌いだ」
「これでは家族になれない」
と強い言葉をぶつけました。
トキは涙ながらに、家族の借金を背負い、二つの家を支えてきたこと、
そして「お金目当てで結婚したと思われたくなかった」ために真実を隠していたと告白します。
母やタエもまた謝罪し、
タエがトキにとって「もう一人の母」であることが明かされました。
生みの親・育ての親を区別せず、皆を家族として受け入れるヘブン。
最後は皆で「だらクソが」と叫び、
笑いと涙の中で、本当の家族が一つになるのでした。
感想|ヘブンの「嘘嫌い」に込められた本当の理由
「嘘をついたこと」よりも、「正直になれなかった苦しさ」が胸に残る場面でした。
ヘブンが怒った理由は、事実を知らなかったからではありません。
彼はすでに錦織から、
トキが家族の借金を背負い、三之丞やタエを支えてきた事情を聞いており、
大筋は理解していたはずです。
それでも「嘘嫌い」「家族になれない」と言ったのは、
嘘をついたまま家族として紹介されたことへの拒絶だったのでしょう。
ヘブンにとって家族とは、
都合の悪いことも含めて正直でいられる関係だったのだと思います。
一方で、トキが語った
「お金目当てで結婚したと思われたくなかった」という言葉は、
ヘブンへの不信ではなく、トキ自身の負い目だったように感じました。
家族の責任を一身に背負い続けてきた彼女は、
「こんな自分でも愛されていいのか」と、ずっと自分を疑ってきたのでしょう。
この場面は、嘘を責める物語ではなく、
正直になることを恐れていたトキが、ようやく受け入れられるまでの過程を描いていました。
感想|三之丞の「社長」という逃げ道
優しさの陰で、誰かの人生を奪ってしまう――三之丞の存在は、その残酷さを浮き彫りにしていました。
三之丞については、どうしても厳しい目で見てしまいます。
「社長」と名乗ったのはタエの言葉がきっかけでしたが、
何もできないまま肩書きだけを背負う選択は、現実から目を背ける行為でもありました。
仕事は肩書きではなく、積み重ねです。
そして何より重いのは、
トキが稼いだお金を黙って受け取り続けていたことでした。
それを「家族だから」で済ませてしまえば、
トキの人生は誰かを支えるためだけに消費されてしまいます。
披露宴の場で三之丞が自らを
「ダメで嘘つきで恥晒しな息子」と認めたことは一歩前進です。
しかし本当に必要なのは、自己否定ではなく、
その言葉に見合う行動なのでしょう。
まとめ|嘘で偽っていては家族になれない
第14週は、
家族とは何か、正直でいるとはどういうことなのかを静かに突きつける一週でした。
嘘をつかなくても、
背負っているものをさらけ出しても、
人は家族になれる。
トキとヘブンがたどり着いたその答えは、
これから始まる二人の人生を、確かに支えていくものだと感じました。
家族になることを選んだ二人が、
これからどんな現実と向き合っていくのか――
その答えは、第15週で静かに試されていくことになりそうです。
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