ドラマ『夫に間違いありません』第2話ネタバレ感想|「弱い人間はまた裏切る」一樹が選んだ逃げ道

ドラマ感想

※本記事はドラマ『夫に間違いありません』第2話の内容を含みます。未視聴の方はご注意ください。

ドラマ「夫に間違いありません」は主演松下奈緒で、カンテレ・フジテレビ系列で1月5日(月)夜10時からスタートしました。詳細をお知りになりたい場合は、公式ホームページをご覧ください。

第2話では、家族を守るためについた嘘、信じたいと願う妻の選択、そして裏で進んでいた思惑——日常は静かに、しかし確実に崩れ始めていました。

本記事では、ドラマ『夫に間違いありません』第2話のネタバレあらすじを整理しながら、亜季と栄大の会話が浮かび上がらせた「弱い大人」としての一樹の姿について掘り下げていきます。

第2話あらすじ(ネタバレ)|失踪した夫の生存と崩れ始める日常

不審な視線の中で引き出される現金

物語の冒頭、聖子はキャッシュコーナーで多額の現金を引き出していました。しかしその様子は、何者かにじっと見られていました。

突然現れた留美――一樹は生きていた

聖子の前に現れたのは、夫・一樹の失踪中に関係を持っていたキャバクラ嬢・留美でした。留美は、一樹が生きていること、そして失踪中に一緒に暮らしていたことを明かし、聖子を動揺させます。

一樹が留美と一緒にいたのは「楽だったから」

一樹は失踪時、口座から300万円を引き出し留美のもとへ身を寄せていました。「楽だっただけだ」と語る一樹に対し、聖子は家族を守るため嘘を重ねてきた自分の選択に苦しみます。一樹は「もう留美には会わない」と約束しますが、聖子の不安は拭えません。

もう一つの失踪事件――もしかして紗春の夫か?

聖子は警察で確認した遺体が、知人・紗春の失踪中の夫ではないかという疑念を抱きます。そのため、事情を知らず親しげに接してくる紗春を避けてしまいます。

弟・光聖の告白と国会議員・九条ゆりの登場

弟の光聖から「結婚したい相手がいて、しかも妊娠している」と打ち明けられます。顔合わせの席に現れた相手の母親は、国会議員・九条ゆりでした。

息子・栄大を狙う嫌がらせと不穏な影

一方、息子の栄大は学校で嫌がらせを受けていました。ライバルの藤木は推薦を得るため、栄大を不登校に追い込もうと画策し、聖子の店のホームページを不穏な表情で見つめます。

執念を見せる紗春――「必ず探し出す」

紗春は、スナックの客とお酒を飲みながら、失踪中の夫を「どんな手を使ってでも探し出す」と語り、強い執念をのぞかせます。

週刊誌記者・天童の接近と絆創膏の違和感

顔合わせの席に、九条ゆりの汚職疑惑を追う週刊誌記者・天童が現れます。天童は聖子にも接触し、行方不明者家族の会で会ったことを持ち出して探りを入れます。さらに、キャバクラで見かけたイルカの絆創膏と聖子の絆創膏が同じであることに違和感を覚えます。

預けられた娘・希美――逃げ場を失う聖子

紗春が聖子の家を訪れ、娘・希美を預かってほしいと頼みます。姑の一言で断れなくなり、聖子は複雑な思いを抱えながら引き受けることになります。

500万円の口止め料と「信じたい」という選択

一樹は工事現場で働きながら、家族への未練を断ち切れずにいました。しかし留美に居場所を突き止められ、500万円の口止め料を要求されます。警察に行こうとする一樹に対し、聖子は「信じたい」と告げ、金を用意する決断をします。

盗撮される現場――新たな火種

聖子は、ATMで200万円を下ろします。その様子を見ていたのが、栄大の同級生の藤木でした。これがドラマ冒頭の不穏なシーンでした。

その後、聖子は一樹のもとへお金を持って行き、残りは翌日渡す約束をします。その一部始終を藤木がスマホで盗撮していました。

「うまくいった」――夫と留美の共謀

ラストでは、一樹が留美に「うまくいった」と電話をかけ、お金を手に入れたら一緒に祝おうと留美がいいます。二人が保険金を狙って共謀していたことが明らかになり、第2話は不穏な展開のまま幕を閉じます。

■感想|亜季と栄大が照らし出す「弱い大人」一樹

第2話で特に印象的だったのは、亜季と栄大が語り合う「ヘンゼルとグレーテル」の会話です。
父親は本当は子どもたちを愛していたのではないか、という亜季の言葉に対し、栄大は「愛していたら捨てたりしない」「弱い人間はまた裏切る」と静かに言い切ります。

このやりとりは、単なる兄妹の会話ではなく、一樹という存在そのものを鋭く照らしていました。
家族を守りたいと言いながら楽なほうへ流れ、結果的に家族を置き去りにした一樹の姿は、まさに栄大の言う「弱い人間」そのものです。

さらに栄大の「もし自分が捨てられた子どもなら、戻らない」という言葉は、子どもが大人をどう見ているのかを突きつけます。
大人の事情や言い訳は、子どもにとってはただの裏切りとして刻まれてしまう。その残酷さが、この短い会話に凝縮されていました。

一樹は決して、家族への情がない人物ではありません。
子どもたちの写真を見て涙を流し、ぬいぐるみをゲーセンで取ろうとする姿からも、その愛情は確かに感じられます。しかし一樹は常に、「責任を取らなくていいほう」「楽なほう」へと流れてしまう男でした。

失踪中に留美のもとで暮らしていた理由を、一樹は「行くあてがなかった」「楽だったから」と語ります。その言葉は正直ではありますが、同時に、家族を捨てた理由としてあまりにも身勝手です。問題なのは弱さそのものではなく、弱さを免罪符にして選択を放棄していることでしょう。

一樹は、自分を「守る側」だと本気で信じているわけではないと思います。
そう振る舞えば、相手が動くと分かっているから、その役を演じているだけです。

「警察には俺に脅されたと言えばいい」
「聖子は巻き込まれただけだ」

その言葉は、自己犠牲の提案ではありません。聖子が罪悪感を抱き、黙って従うことを見越した、計算された誘導です。金を用意させ、嘘を重ねさせ、危険を引き受けさせる一方で、自分は“守っている人間”の顔をする。一樹は最初から、聖子を守るつもりなどなかったのだと思います。

だからこそ残酷なのは、留美への電話でした。

「うまくいった」という一言は、衝動でも迷いでもありません。あれは、すべてを承知したうえでの報告です。一樹が最後に選んだのは家族ではなく、責任を負わずに済む場所でした。留美にたぶらかされたのではなく、自分から逃げ道を選び続けた結果です。

涙や後悔を口にしても、行動は一切変わらない。
それは「どうしようもなく弱い大人」だからではなく、分かっていて裏切ることを選んだ大人だからです。

一樹は怪物ではありません。
衝動的な悪でも、激情に支配された人物でもない。

けれど、最もタチが悪いタイプの人間です。
愛情があるふりをし、正しそうな言葉を使いながら、いちばん近くにいる人を犠牲にする。

第2話は、「弱さ」ではなく「選択」の問題を突きつけてきました。
亜季と栄大のまっすぐな言葉が照らし出したのは、大人が意識的に逃げたとき、そのツケを誰が払うのかという現実です。

一樹は、守る側ではありません。
分かっていて人を騙し、利用し、最後まで逃げ切ろうとした男です。

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