※本記事は、NHK連続テレビ小説『ばけばけ』第89話・第18週「マツエ、スバラシ。」の内容を含みます。未視聴の方はご注意ください。
第89話では、トキを取り巻いていた騒動が思わぬ形で収束し、世間の関心がいかに移ろいやすいものかが描かれました。 事実かどうかよりも、話題性によって評価が左右されていく様子は、前回までの出来事を踏まえると、より皮肉に感じられました。
一方で、騒動の中でも変わらず描かれていたのが、トキとヘブンの関係でした。互いを責めるのではなく、選び取った人生を肯定し合う二人の言葉には、この物語らしい優しさがにじみ出ています。
本記事では、第89話のあらすじを整理しつつ、世間の視線がもたらした影響と、トキとヘブンのやり取りが持つ意味について、感想を交えながら振り返っていきます。
『ばけばけ』第89話あらすじネタバレ|第18週「マツエ、スバラシ。」
騒動が止み、戻る静けさ
ある朝、松野家へのごみ投棄が突然止みます。本当に終わったのか不安を覚えるトキとヘブン、錦織でしたが、江藤知事の家で騒動が起きたことで、世間の関心はそちらへ移っていました。
知事の食い逃げ騒動は誤報でしたが、その影響でトキへの視線は薄れ、松野家には久しぶりに平穏な時間が戻ります。
錦織の礼と、松野家の食卓
騒動のきっかけを作った知事に対し、錦織は「潮目が変わったのは知事のおかげです」と礼を伝えます。
その後、松野家では錦織を招いて食事を囲み、これで噂も収まるのではないかと皆が安堵しました。その流れの中で、ヘブンと司之介は、騒動がひと区切りついたことを喜び、ささやかな祝杯をあげます。
ヘブンとトキの言葉
執筆を再開したヘブンは、自分のせいだったとトキに謝ります。しかしトキはそれを否定し、「一緒になってよかったです」と感謝を伝えました。ヘブンは、その言葉に笑顔で応えます。
新たな日常へ
世間はすでに別の事件へと関心を移し、知事は錦織校長誕生に向けて動き出します。錦織は生徒の前で校長就任を報告し、教育への決意を語りました。
トキの怪我も癒え、ヘブンと散歩に出かけます。第89話は、日常が静かに戻ったことを感じさせる場面で締めくくられました。
『ばけばけ』第89話 感想
移ろう世間の視線
前回の終わりにヘブン宅へごみが投げ込まれなかった理由が、知事への誤報によって世間の関心が移ったからだと分かりました。
世間の人々は、事実かどうかよりも「面白い記事」に反応し、それに流されて大騒ぎをします。世間の評価がいかに勝手で、当てにならないものかを思い知らされる回でした。
ヘブンの「でしょ?」が示すもの
騒動が落ち着いたあと、ヘブンはトキに向かい、「偉人と一緒になったから、私が悪い。ごめんなさい」と謝ります。
しかしトキは、「違います。そげなこと言わんでごしなさい。二度と謝らんでごしなさい」と、はっきりと否定しました。そして、悪いのはヘブンでも自分でもないと伝えたうえで、ヘブンにお礼を言います。
「ヘブンさんと一緒になってよかったです」とトキが言うと、「でしょ?」と返すヘブン。そのやり取りには、重たい空気を和らげるヘブンのお茶目さがにじんでおり、とても印象的な場面でした。
誰かのせいにされがちな状況の中で、互いを責めるのではなく、選び取った関係を肯定し合う二人の姿に、この作品らしい優しさを感じました。
日常へ戻る、その一歩
トキのケガが治り、ヘブンが散歩に誘う場面は、日常へ戻る象徴のようでした。
これまで人の目を避けてきたトキが、再び世間の中に出たとき、どんな反応が待っているのか。穏やかさの中に、今後への不安も残す終わり方だったと感じます。
まとめ
第89話は、誤報ひとつで簡単に向きが変わる世間の視線と、その不確かさを強く印象づける回でした。事実かどうかではなく、話題性だけで評価が揺れ動く様子は、トキが受けてきた理不尽さをより際立たせています。
そんな中で描かれた、ヘブンとトキのやり取りは象徴的でした。誰かを責めるのではなく、「一緒になってよかった」と互いを肯定する姿からは、この物語が大切にしてきた優しさが感じられます。
騒動が落ち着き、日常へ戻ろうとする今だからこそ、再び世間と向き合うトキがどんな反応に出会うのか。静かな余韻とともに、今後への不安と期待を残す締めくくりでした。
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前回・第88話では、根拠のない噂や誤解によってトキとヘブンの日常が脅かされ、世間の視線の怖さが描かれました。一方で、周囲の人々の支えが確かな救いとなる回でもありました。
次回・第90話では、トキとヘブンが再び並んで歩ける日常が戻り、二人の関係が穏やかに積み重ねられている様子が描かれました。散歩や怪談といったささやかな出来事を通して、互いを思いやる気持ちが自然な形で表れています。
番組情報
番組名:NHK連続テレビ小説『ばけばけ』
放送局:NHK総合
放送時間:毎週月曜~金曜 午前8:00~8:15 ほか
出演:髙石あかり、トミー・バストウ ほか
作品概要:
異国から来た夫と共に生きる女性を主人公に、噂や偏見、すれ違いを乗り越えながら「共に生きること」の意味を描くヒューマンドラマ。

