『ばけばけ』第74話ネタバレ感想|ヘブンの「言えなかった本音」と洋食の夜

ドラマ感想

※この記事は、NHK朝ドラ『ばけばけ』第74話のネタバレを含みます。

ドラマ『ばけばけ』は、明治期の島根を舞台に、異文化の中で生きる人々の暮らしや夫婦・家族の形を描くNHK連続テレビ小説です。物語の軸にあるのは、小泉八雲とその妻をモデルにした、言葉も文化も異なる二人の関係性です。

異国から来た英語教師と、日本の片隅で家族を支えながら生きる女性。立場も価値観も異なる二人が、怪談という共通項を通して少しずつ距離を縮めていく様子が描かれています。結婚という題材を通して、「言葉にできない本音」や「すれ違い」を丁寧に描いているのが特徴です。

第74話では、言葉にできなかった「本音」が、夫婦と友情の両方に静かな亀裂を生んでいきました。

作品の詳細や放送情報については、NHK公式サイトをご覧ください。

『ばけばけ』第74話 あらすじ(ネタバレ)

ヘブンの行方と、募るトキの不安

ヘブン(トミー・バストウ)が山橋薬舗にいると知ったトキ(髙石あかり)は、彼を探して店を訪れます。しかし、店内にいたのは山橋(柄本時生)だけで、ヘブンの姿はありませんでした。がらんとした店内に痕跡はなく、トキは山橋の態度に違和感を覚えます。

家に戻ったトキを、司之介(岡部たかし)とフミ(池脇千鶴)が励ましますが、司之介の「ほかの誰かと口づけしとったりして〜」という冗談が、トキの不安をさらに膨らませます。

パイナップルが生んだ疑念

やがてヘブンが帰宅します。 ヘブンの顔を見て驚きの声を上げるトキ。「なんですか?」とヘブンは不思議がるが、ヘブンの頬には赤いものがついていたのでした。

ヘブンは、「お土産」と言って、フミにパイナップルを渡します。それを見た司之介は、「やましいことがあると土産を買ってくるのは世界共通かもしれん」と言い、トキは複雑な表情を浮かべます。

その夜、トキはパイナップルに向かって「いってらっしゃい」「いってきます」とキスの練習をしているところをフミに見つかってしまいます。直後、奥の部屋からヘブンの「オーマイガー」という声が聞こえ、二人は聞き耳を立てながらも扉を開けるのを我慢します。

さわとの再会と、見え始めた距離

翌日、幼なじみのさわが野花を持ってトキを訪ねてきます。しかし立派な屋敷や飾られた花を見て、さわは気後れしてしまいます。

トキの何不自由ない暮らしぶりを見て、「もう何も悩まんでいいね」と言うさわに、トキは「そげなことないよ」と答えますが、会話はどこか噛み合いません。

そこへ借金取りの男が現れ、フミが100円を返しますが、「100円なんて返されたら、わしはどげすればいいんじゃ」といって、怒って帰っていきました。

その様子を見たさわは、「ごめん。私帰るわ。なんだかもうごめんなさい」と言い残して屋敷を出て行ってしまい、慌ててトキは後を追いかけます。

帰り道を2人は一緒に歩きますが、さわは、「なんか別世界だった。ヘブンさんとお父さんによろしく」と言って帰っていきました。トキはその背中を寂しそうに見送るのでした。

山橋薬舗で目撃した真実

落ち込むトキは、偶然人力車に乗ってニコニコと楽しそうにしているヘブンを見かけ、後を追います。ヘブンは山橋薬舗へ入っていきました。

トキは店に入り、「今日こそ、ヘブン先生がここへ入っていくところを、はっきり見ましたけん」と訴えます。しかし店主は、相変わらず店が暇だと言うばかりです。

そのとき、山橋の襟元に赤いものが付いていることに気づいたトキは、店の奥へ進みます。

そこには、椅子とテーブルに座り、フォークとナイフで洋食を食べるヘブンの姿がありました。トキに見つかったヘブンは、一言「オーマイガー」と呟きます。

その光景を目にしたトキは、言葉を失い、ただ呆然と立ち尽くすのでした。

洋食を嬉しそうに食べるヘブンとそれを見てしまったトキ

『ばけばけ』第74話 感想|「言えない本音」が生んだすれ違い

これまでヘブンは、「正座が大好き」「魚の骨を取るのが好き」と、日本の生活を心から楽しんでいるように振る舞っていました。しかし今回描かれたのは、テーブルと椅子に座り、フォークとナイフで洋食を食べるヘブンの姿です。

ヘブンは本当は、洋食が食べたかったのだと思います。けれども、それを言い出せず、無理を重ねた結果、ストレスを溜め込み、山橋薬舗で息抜きをしていたのでしょう。「たまには洋食が食べたい」と言えればよかったのに、そう言える雰囲気ではなかったのかもしれません。

きっとトキに良い夫だと思われたかったのかもしれませんね。

一方のトキは、その本音に気づくことができず、もしかすると不倫しているのではないかと不安になっていたように見えました。実際には裏切りではなく、「言えなかった本音」がすれ違いを生んでいただけなのです。

また、さわとのやり取りも胸に残ります。幼なじみとして同じ苦労をしてきたさわにとって、今のトキは別世界に行ってしまった存在に映ったのでしょう。経済的な安定を得たことで生まれた価値観のズレが、二人の距離を広げてしまったように感じました。

次回予想|本音を語った先に待つもの

次回は、山橋薬舗で洋食を食べていた理由について、ヘブンがトキに説明する場面が描かれるのではないでしょうか。不倫ではなかったと分かっても、「なぜ言ってくれなかったのか」という点で、トキの心は簡単には整理できないはずです。

ヘブンが無理をしていたこと、トキも「恵まれているから悩んではいけない」と思い込んでいたこと。お互いが本音を語れるかどうかが、今後の夫婦関係の分かれ道になりそうです。

さらに、さわとの友情もすぐに元通りになるのかどうか、心配なところです。距離ができたからこそ、それぞれが相手の立場を考える時間が必要なのかもしれません。

第74話は、夫婦関係と友情の両方において、「転換点」となる回だったと感じました。

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